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・日にち 令和4年6月19日(日)~7月3日(日)

    ※(木)(金)はお休み

・時 間 13時~19時まで

・入場料 無料

・Artist   谷本梢    ​

展示作品は下記のArtistのInstagramにて紹介してます

https://www.instagram.com/kozue_tanimoto/

・DJ    ゼニ丸 

下記の日程でDJの生パフォーマンスがあります

6月25日㈯14時~

7月  2日㈯14時~

・会 場 菅原山崇禅寺・一文字天満宮 

     金沢市瓢箪町5-43

お車でお越しの方は近くのコインパーキングをご利用ください。

主催/谷本梢 後援/北國新聞社

線のメモ。  

私は車に乗って夜の道路を運転していた。心の中には小さな問題が幾つももつれて絡ま り鬱屈していた。気分を変えたくて、無造作にCDの束から一枚を取り出してかけた。そ れはパッヘルベルのカノンだった。音楽を聴きながら目の前の黒い道路を絵画の地に見立 てぼんやりと線が浮かんできた。これが今回のMusic Drawingの始まりだった。  私には絶対音感はない。ハーモニーの仕組みも分からない。吹奏楽を齧った程度の音楽 知識では本質は掴み取れない。何度聴いても頭の中はざるになっていて、荒い網目から大 切な何かが逃げてゆく感覚がする。音楽を聴きながら線を引く行為は前後不覚な無意識が さらけ出される。耳の感覚器官から入った刺激は脳に伝わり、運動神経に命令が下され腕 や指が動かされる。選択に熟考している暇はない。私はこの「こぼれ落ちる時間」を必死 に捕まえる行為に意味があると考えている。  情報化社会で生きている私たちは、毎日溢れんばかりの情報を浴びている。最近「現代 人が1日に受け取る情報量は江戸時代に生きた人の1年分」というツイートが話題になっ た。真偽はあるとしても情報過多社会の気になる問題だと思う。テクノロジーやAI(人工 知能)の革新的な進歩は生活、働き方、教育などこれからの人間社会に大きく関わってく る。生きていくためには情報のアップデートが不可欠になってくるが、正直手に負えなく なる人も増えるだろう。右から左に流れてゆく情報を自分で取捨選択する行為は今後も続 いていくだろうし、もしかしたら自分自身を現すアイデンティティにまで関連すると考え ている。  今回の小作品は線のメモである。友人と長電話をしながらもう片方で書いている無意味 で無造作なメモと似ている。その選択と行為の痕跡が残った欠片の中に現代を生きる自分 の片鱗が残っている。

                                  

2022年 6月19日 谷本 梢