普度会(ふどえ)とは
【起源ー伝統】
一八三五(天保六)年の「天保の大飢饉」で日本は全国的に餓死する人々が続出し、また病気も大流行しました。そのため人々は不安な日々を過ごすことを余儀なくされ、人の心や世の中の荒廃を引き起こしました。それはここ加賀の國金澤の町も同様でありました。
この大飢饉による世の中の様子に心を痛めた能登屋又五郎という方が曹洞宗の僧侶を集め銀七十五枚を布施し『施食会』という法要を行いました。これが『普度会』の始まりです。私財を投じて『施食会』を行い、飢饉によって亡くなられた方の供養、荒廃した世の中で生きる人の幸せを願われた能登屋又五郎氏のまごころに応えるため金沢の曹洞宗の僧侶はそれ以後毎年春と秋に『施食会』を行っています。名称も『普度会』と改められました。
普とは、あまねくすべての人々にという意味であり、度とは 幸せを施すという意味です。能登屋又五郎氏の発願より190年経った今もつづく『すべての人々に幸せを施す、金沢伝統の法要』です。
普度会を勤める寺院を「宿寺」と呼び、十年に一度当番が巡ってきます。本年の秋は崇禅寺が宿寺となりお勤め致します。
【祈り】
『施食会』をお参りする功徳として「生きている者は幸せに長生きができ、亡くなった後も苦しみに囚われている者が苦しみから解放されて仏国土へ往くことができる」と伝えられています。もちろん亡くなった後の世界というものは、見えないものですが、人々の祈り、願いが『施食会』の功徳として伝わっているのだと思います。
食を施すとは、自分のためという思いだけにとらわれず、周りの生きとし生けるものへと思いを巡らして、みんなで共に幸せになりたいと願う心の顕れです。
飢餓や流行り病というものは決して過去の出来事の中にしかないものではありません。今この瞬間、生きている時代に我々も同じことに出会うことがあります。ゆえにどのような時代でどのような出来事があったとしても、この能登屋又五郎氏のみんなの幸せを願ったまごころを思い、自分が人のために出来ることを厭うことなく出来るよう、みんなで修行して生きてゆけたらと思います。
▼令和5年普度会日程
期日:11月19日(日)
宿寺:菅原山崇禅寺(金沢市瓢箪町5-43)
[午前の部]
10時~12時頃
1,霊松居士読経‥能登屋又五郎氏の供養
2,供養法会 ‥御参詣の方の御先祖や偲ばれるかたの供養
3,尊宿法会 ‥代々と普度会を勤めてきた僧侶の供養
4,普度会施食会‥天保の大飢饉、流行り病、飢餓、自然災害、事故や戦争で亡くなられた方全ての供養
5,お説教 ‥布教師の勝田浩之老師による仏法のお話
[午後の部]
14時~16時頃
1,両祖忌 ‥永平寺初代住職道元禅師と總持寺初代住職瑩山禅師の供養
2,供養法会 ‥御参詣の方の御先祖や偲ばれるかたの供養
3,無縁供養 ‥野田山墓地や卯辰山墓地の無縁となったお墓に 埋葬されている方の供養
4,普度会施食会‥天保の大飢饉、流行り病、飢餓、自然災害、事故や戦争で亡くなられた方全ての供養
5,放生会 ‥魚に仏弟子の入口三帰戒を授け、殺生を戒めて供養する
6,お説教 ‥布教師の勝田浩之老師による仏法のお話
▼御参詣の仕方とお申込み
[参詣の仕方]
①特別供養(壱)(お弁当1つと、お供物が1つつきます※人数分ではありません)
②特別供養(弐)(お供物が1つつきます※人数分ではありません)
③一般供養
[お布施の目安]
①特別供養(壱) 壱萬圓(10,000円)
②特別供養(弐) 伍千圓(5,000円)
③一般参詣 千圓~参千圓(1,000円~3,000円)
※上記のお布施の目安はお参りしやすいように、あくまで目安として参考にしていただければという意味合いで載せております。ご了承ください。
〇お申込みはこちらより(Googleフォームへと移行します)
※宗派や宗教など関係なく御参詣いただけます。
【お問合せ】
曹洞宗連合法要秋季普度会
[宿寺] 菅原山崇禅寺・一文字天満宮
[住所] 石川県金沢市瓢箪町5-43
[電話] 076-221-4803